1949-05-27 第5回国会 参議院 本会議 第36号
(笑声)私共は現政府が先には労働組合法の改惡を行い、又農民に対しては農地調整法の改惡を断行し、今日ここに上程されたところの國立病院特別会計法案におきまして、勤労者医療の收奪を行なつて、國立病院の目的を全く抹殺いたしまして、営利化の一歩前進を図ろうとするものであると考えるものであります。今日のインフレ下に、ただ食つて行くだけで精一杯の一般大衆にとつては、医療の高騰は誠に悲劇であります。
(笑声)私共は現政府が先には労働組合法の改惡を行い、又農民に対しては農地調整法の改惡を断行し、今日ここに上程されたところの國立病院特別会計法案におきまして、勤労者医療の收奪を行なつて、國立病院の目的を全く抹殺いたしまして、営利化の一歩前進を図ろうとするものであると考えるものであります。今日のインフレ下に、ただ食つて行くだけで精一杯の一般大衆にとつては、医療の高騰は誠に悲劇であります。
それから第三に、このような法律案によつて國立病院が営利化されます結果、先ず收入の上りにくい、むずかしい病氣とか、慢性病などの入院患者は敬遠されることになります。そうして收入の増加を目的とするために不必要な治療をするというような、そういう危險が含まれております。それから更に看護婦その他の從業員の労働が強化され、人員の整理が行われるかも知れないという危險も含んでおるのであります。
從つて國立病院の療養所に関する看護婦関係の人件費が流用されたのではございませんので、今のように國立病院、療養所の看護婦につきましても、看護課で一般的な指導を担当するというような意味合におきまして、看護婦再教育のための人件費が、病院、療養所を通じまして嘱託雇員の資格のものがとられることになつておりますので、それを看護課にまわしましたことは事実でありまして、兼務の形式でやつております。
療養所の方は國家が見ておつて、國立病院だけを何故に特別会計になさるのであろうか。負担のことをお考えにならんのであるならば、何故に國民に向つて無限の開放をなさらんのであるか。今日一般に治病費は実に限界に達しておる。今日の治療費は非常なものである。都市におきまして一点單價十一円にいたしましても、ちよつとしたことで入院すれば二百五十円も三百円も要ります。
この法案の提出理由として國立病院の経理の適正を図るということが掲げられておりますが、我々日本の社会の國家の健康状態をどうすればよくすることができるかということを研究、念願いたしておるものの観点から眺めますというと、その経理の適正を図ることによつて國立病院の拡充強化を図るのか、或いは單に経費を削減して國家の負担を軽からしめるのか、若しくは國立病院の経理の適正化によつて、若し國費が節約できればそれを保健衞生
さような意味合から普通の病院と、結核、癩、精神病等特殊疾病を扱う病院とは、そこに大きなる違いがございますので、從つて國立病院は從來の実績やその性質から見て特別会計にいたしまするが、療養所につきましては特別会計のことは現在考えておらないのであります。
從つて生活保護法の運用が十分に行われなければ、生活保護法による医療というもの、また從つて國立病院事業におけるところの医療を受けることが十分にできなくなるおそれを私は考えておるのであります。
從つて國立病院が現在持つております包容能力の最大限度までこれを活用いたしまして、一般の医療を十分徹底いたしたいと思つております。
そうすれば他の療養所あるいは他の療養機関等においてはそういうことがなくて、ただこの國立病院だけにあつて、從つて國立病院だけをこの特別会計にしなければならぬのか、この点を一應はつきりしていただきたいと思います。
その一つは、この特別会計にすることによつて、國立病院の收支を明瞭にすることができるという御趣旨と、それから当然とれる患者から金を取立てるということにおいて特別会計制が便利であるという御趣旨と、それから、これによつて國立病院の不必要なむだを省くことができる。大体こういうような利点が説明されたと思うのであります。
殊に最近外地から歸つて來ます人達の中に沢山の傷痍者がおるわけでありまするが、これらが國立病院に入りまして、現在の処置から申しますと、立ちどころに医療費というようなものを負担しなければならんということになりますと、到底それは不可能な問題でありますので、從つて國立病院に收容中の患者に対しましては、特に戰爭犠牲者中の患者に対しましては、その給費額を増加すると同時に、生活費と医療費を全額國庫で負担をして頂きたいという
ここに表をもつておりますけれども、たしかにそういう状態でございまして、熱海の病院の方では、東京まで近いから研究室へ行つて勉強ができるので我慢していられるのだ、このまま行けば研究する人間か、あるいは優秀ならざる醫者によつて國立病院が占められるだろう、寒心にたえないというようなことも言つておりましたので、その點お氣づきでございましたならば十分お改め願いたい。